○泡坂妻夫「乱れからくり」を読んで
久しぶりに!推理小説!!!!というのを読みました。犯人は?トリックは??と謎がもたらすドキドキワクワクを懐かしく感じ、解決後の満足感をしみじみ噛みしめてます。幸せですねえ。ネタバレはしません。
玩具会社の部長が降ってきた隕石に当たり、死んでしまいます。それを皮切りに、その親族が次々と不可解な死を遂げていきます。
どうでもいいことですが、隕石堕ちたのも犯人のトリックかと思って読んでいました。さすがにそんなわけはなかったです。馬鹿ですね。
ここから、この推理小説のきゅんポイントを挙げます。
連続殺人
一族が次々に死ぬということは内部犯が定石ですよね。容疑者は限られなければならないのです。この前提が、アリバイによって成り立たないもやもや感が気持ちいいです。
ミスリード
この人が犯人だろうと当たりをつけていた人が、死んじゃうって時、ありますよね。純粋に違うって場合も。この裏切られる感じたまらなくないですか!
乱れからくり
英訳して、「dancing gimmicks」。名が体を表しています!感動です。
まさにギミックの乱れ打ちなのです。どうして乱れてしまうかが、推理のミソです。
そして、からくりの玩具の数々とねじ屋敷。お屋敷ってミステリーの古典的な風情が感じられて、ワクワクします。
図面の出現
図面が出てくると嬉しくなります。暗号だとなんだか物足りないのですが、図面は世界観が見えてくるようで、好き。珍奇なものほど、作ったひとの狂気が感じられて面白いです。今回は迷路の図面が出てきます。
十角館の図面とか好きです。
本当に面白い推理小説でした。ただ、玩具の雑学とか脇に逸れる話は割愛してほしかったなあ、、、