○佐々木俊尚「レイヤー化する世界」「自分でつくるセーフティーネット」を読んで
フリージャーナリストの佐々木俊尚さんの本です。
健康的でな生活と良好な人間関係を重視し、IT技術を駆使し新しい生き方を実践している方です。俯瞰的な歴史から人の生き方の代表例、ユニークな例え話などの視点から攻める、面白い本でした。また、平易な言葉で綴られていたため読みやすいです。
「レイヤー化する世界」
中世、近代、現代、と世界はどう変化してきたのかをなぞらえて、未来を考えます。どう国が栄え、滅び、他国が成るのかといった歴史の構造に独自の視点を加えています。
レイヤーとは
その独自の視点のひとつをオープンサンドイッチで説明しています。
白い皿はインターネット。一枚のパンはアイチューン。キュウリやハムはミュージシャンやスマートフォン。最後にかけられたマヨネーズは、音楽についての友人たちとの雑談。
こうして出来上がったサンドイッチ全体が、素敵な楽曲なのだそうです。目に浮かびますね。本書ではこのサンドイッチの層を「レイヤー」と呼んでいます。
「レイヤー」はITビジネスのみならず、人間にも当てはまるそうです。
国籍や職業、出身地、出身校、食の好み、趣味に至るまで「レイヤー」といえます。それは国民国家をも超え、新しい世界ができるというのです。
自分なりの結論
今生きている世界の構造(国民国家・民主主義)は当たり前で揺るぎないものだと盲目的に思っていましたが、歴史を見ると世界の構造は変化しています。第三の革命であるIT革命が起きた今、様々な概念はひっくり返る可能性があることを学びました。
本書では最後にとっても簡単な指針を示してくれています。それを私なりに解釈すると、「レイヤーで人間関係を結び、ITと上手く付き合っていきましょう」です。
「自分でつくるセーフティーネット」
日本社会の常識が崩れ始めているが、救いはどこにあるのか。それを教えてくれる本です。
自分なりの結論
Facebookは自身を信頼してもらう道具になり、ゆるい人間関係の中で役に立つそうです。ゆるい人間関係は、決して悪いことではなく、圧力の小さくてのびのびと生きやすい場所を作るかもしれません。また、世の中には善人も悪人も見解次第だから、寛容な人になりたいと思いました。
二冊読んで
機械音痴だなんだいってられない世の中になったのですね。恩恵受けている身ですが、ちょっと残念です。複雑な仕組みについていけるかわかりません。頑張りましょう。